5分で読める、wait()とtask.wait()の違いとは

Robloxでゲーム開発をしている方なら、スクリプト内で処理を一時停止させる必要がある場面に遭遇したことがあるでしょう。そんな時に使用される関数が「wait()」と「task.wait()」です。この二つの関数は一見似ていますが、実は重要な違いがあります。今回はこれらの違いと、どちらを使うべきかについて詳しく解説します。

STEP

wait()とは

wait()はRobloxに組み込まれている関数で、スクリプトの実行を指定した秒数だけ一時停止させることができます。例えば以下のコードでは、オブジェクトを3秒間固定した後に解除しています：

script.Parent.Anchored = true
wait(3)
script.Parent.Anchored = false

wait()の特徴：

Robloxの組込関数である
パラメーターで指定した秒数だけ処理を待機させる
数値を指定する際はクォーテーションを付けない
小数点を使った秒数指定も可能（例：wait(0.5)）

STEP

task.wait()とは

task.wait()は、タスクライブラリに含まれる関数で、wait()の改良版として導入されました。基本的な機能はwait()と同じですが、より精度が高く、パフォーマンスに優れています。

script.Parent.Anchored = true
task.wait(3)
script.Parent.Anchored = false

task.wait()の特徴：

タスクライブラリの一部として提供されている
より正確なタイミングで処理を再開できる
新しいタスクスケジューラを使用している

主な違い

1. 精度の違い

wait()は精度が低く、指定した時間よりも長く待機してしまうことがあります。これに対してtask.wait()は精度が高く、より正確なタイミングで処理を再開します。

2. パフォーマンスの違い

task.wait()はwait()よりもパフォーマンスに優れています。特に多くの待機処理を行うゲームでは、task.wait()を使用することでゲーム全体のパフォーマンスが向上する可能性があります。

3. 実装の違い

wait()は古くからRobloxに実装されている関数ですが、task.wait()は比較的新しく、タスクスケジューラの一部として実装されています。

どちらを使うべきか

現在のRoblox開発では、task.wait()の使用が推奨されています。その理由は：

より正確なタイミング制御が可能
ゲームのパフォーマンスが向上する
最新の開発スタイルに準拠している

特に新規プロジェクトを開始する場合や、既存のコードをアップデートする際には、task.wait()を使用することをお勧めします。

その他のタスクライブラリ関数

タスクライブラリにはwait()以外にも、以下のような便利な関数が含まれています：

spawn(): 関数を非同期で実行
defer(): 関数を遅延実行
delay(): 指定時間後に関数を実行
cancel(): スレッドをキャンセル3

まとめ

wait()とtask.wait()はどちらもスクリプトの実行を一時停止させる関数ですが、精度とパフォーマンスの面でtask.wait()が優れています。現在のRoblox開発では、task.wait()の使用が推奨されていますので、新しいプロジェクトではtask.wait()を積極的に活用していきましょう。

既存のコードにwait()が使われている場合も、可能であればtask.wait()に置き換えることで、ゲームのパフォーマンスと動作の正確性を向上させることができます。Roblox開発の最新のベストプラクティスに従って、より良いゲーム体験を提供しましょう。

引用はこちら:

投稿者プロフィール

黒田隆史

（株）ゲームガム代表取締役社長 / Roblox開発スタジオ GameGum 責任者 / 現役大学院生金属×ロケットの研究従事 / ゲーム配信Mirrativ 配信者 / 国内最大級メタバースクリエーター向けテックブログを運営。
「メタバースクリエーターと1兆円の経済圏を作る」ために活動中。Xのアカウントのフォロワーは2000人弱(2025年4月現在)